こんにちは、社長のためのAI戦略です。

「広告代理店に任せている運用、本当にこのままでいいのだろうか」と感じたことはありませんか。AIエージェントの進化によって、これまで人間の経験と勘に頼っていた広告運用の世界が大きく変わりつつあります。今回は、実際にマーケティング領域からAI導入を進めてきた澤居さんに、その原点と成果、そして多くの企業が直面するであろう「本当のハードル」について伺いました。

1. AI導入の原点は「バイブコーディング」から
2. マーケティングエージェントを選んだ理由
3. 広告運用エージェントで得られた具体的な効果
4. AIと人間の住み分け:クリエイティブは人、最適化はAI
5. 広告運用の内製化が経営の基本である理由
6. 導入の最大の壁は「担当者」問題
7. 社長自らエージェントを試すべき理由
## まとめ💡

1AI導入の原点は「バイブコーディング」から

0:45頃/澤居さんがAIを本格的に触り始めた時期について語るシーン

澤居さんがAIを本格的に触り始めたのは2025年の夏頃。それ以前、B2B SaaSの開発現場でAIを取り入れようとしても、なかなか運用レベルには到達しなかったといいます。転機になったのは、2025年5月にClaude Codeが一般解放されたことでした。

ホスト

ホスト

「澤居さんが実際にAI化で1番最初にやったこと、これは何ですか?」

澤居さん

澤居さん

「1番最初に作ったのはバイブコーディングです。AIをコーディングエージェントとして、実際にアプリケーションを作ってみるところから始めました」

その後、2025年春頃からエージェントという概念が広がり始め、ここから初めて「AIが業務をこなす」段階に入ったといいます。最先端を行く実践者でもこの時間軸であることは、これから導入を検討する経営者にとって参考になるはずです。

2マーケティングエージェントを選んだ理由

2:46頃/マーケティングエージェントを選んだ理由を説明するシーン

コーディング以外で最初にエージェントとして動かしたのが、マーケティングのエージェントでした。中でも最初に着手したのはSEOです。

ホスト

ホスト

「マーケティングで具体的に何をどうさせたいと思って、そのエージェントを使ったんですか?」

澤居さん

澤居さん

「SEOが1番リスクがなくて始めやすいと思ったので、そこから始めました。うまくワークしたので、徐々にWebマーケティング、広告運用、SNS運用に広げていきました」

選んだ理由はシンプルで、PDCAが回しやすく、結果が数字としてすぐ返ってくること。そして何より、お客さんとのコミュニケーションが発生せず、お金も直接触らない領域だったため、リスクが小さかったことが決め手でした。本体事業に影響が出ない範囲から切り出し、任せられるかどうかを見極める。この進め方は、AI導入を検討するすべての企業にとって参考になる考え方です。

3広告運用エージェントで得られた具体的な効果

4:42頃/事業効率の向上について語るシーン

実際にエージェントを業務に組み込んだ結果、目に見える形で事業効率が上がったといいます。人がそこに時間を割かなくなったことで発注量が減り、コストが削減された一方、浮いたコストで新しい機会創出への挑戦もできるようになりました。

ホスト

ホスト

「これは、売上アップの部分と経費削減の両方が動いているということですか?」

澤居さん

澤居さん

「はい。コストの削減と、少ないコストで新しい挑戦ができることによる売上への貢献、両方が起きています」

さらに、1つの商材を複数パターンで同時にテストする作業も、人間が1つずつ広告管理画面に入力するのに対し、エージェントは並列で何パターンも作成・出稿できます。作業時間の効率化と売上への貢献を同時に実現できる点が、大きな成果につながっています。

4AIと人間の住み分け:クリエイティブは人、最適化はAI

5:56頃/人とAIの役割分担について語るシーン

数字の改善やトライアンドエラーの最適化はAIエージェントが得意とする一方、広告の切り口や訴求ポイントを探すようなクリエイティブな発想は、依然として人間の力が必要だといいます。

澤居さん

澤居さん

「その人のマーケティング力がなくなったとは思っていません。数字の改善・最適化はエージェントがうまいというだけで、広告の切り口や訴求ポイントを探すことはやっぱり人間のクリエイティビティだと思うので、そこは住み分けで考えています」

改善作業そのものはほぼAIに任せられる状態にありながら、戦略や訴求の発想は人が担う。この役割分担の明確化が、AI導入をスムーズに進める鍵になります。

5広告運用の内製化が経営の基本である理由

7:33頃/外注できない業務についての議論シーン

ここでホストからは、経営の基本ロジックとして重要な指摘がありました。

ホスト

ホスト

「僕はその社外のそういったものを使う会社っていうのは極めて弱い。人事とマーケティングは外注できないっていうのが経営の基本ロジックなのかなとは思っています」

エージェントによる内製化を進めると、それまで外注先に丸投げしていた部分の問題点がはっきりと可視化されます。澤居さんも、実際にAIによるマーケティングと外注との比較を通じて、外注との関係性が変わりつつあると語っています。予算が利益を圧迫している状態であれば、まずコスト削減や効率化という効果がはっきり見える形で現れるため、多くの会社がすぐにでも取り組んだ方がいい領域だといえます。

6導入の最大の壁は「担当者」問題

8:41頃/導入のハードルについて語るシーン

一般企業がAIエージェント導入を進める際、最大のハードルは技術面ではなく「人」にあると澤居さんは指摘します。

ホスト

ホスト

「逆に言うと、一般の企業さんが取り組む際にハードルになりそうなことって何ですか?」

澤居さん

澤居さん

「権限以上ですかね。どこまでをAIに任せられるんだっていうのが未知の状態じゃないですか。自分たちの商品をエージェントに任せて広告運用をAIにお願いするって、なかなかの意思決定だと思うんです」

ホストはさらに踏み込んで、この問題の本質を指摘しています。

ホスト

ホスト

「もっとぶっちゃけて言うと、僕1番の障壁はその担当者だと思います。外部に出した場合は『外部のここの会社がこう眠たいことをやって成績悪かったんですよ、社長』みたいな言い訳が利きますが、内製化するとすべての責任がその人に乗ります。だからそれは取りたくないという、実にサラリーマン的な発想になるのは仕方がないと思います」

数字がはっきりする分だけ、担当者はAI導入を積極的にやりたがらない可能性が高いというのは、経営者が事前に理解しておくべき重要な注意点です。外注先との関係が悪化するケースも含め、AIによって「それまで隠れていた問題」が可視化されることへの心理的抵抗が、導入の実質的なブレーキになります。

7社長自らエージェントを試すべき理由

10:41頃/社長自身がエージェントを試すことを提案するシーン

担当者が抱える心理的ハードルを乗り越える方法として、澤居さんは「社長自らが小さく試す」ことを提案しています。

ホスト

ホスト

「澤居さんのおすすめで言うと、社長からまず触るんですよってなった場合、予算管理は社長ができるわけですから、例えば月に100万円ほど広告費を使ってるんであれば、こそっと5万円とか10万円とかを割り振って自分でそのエージェントを立ち上げて回してみる」

社長自身が小さな予算でエージェントを試し、結果を見ながら社員を巻き込んで一緒に取り組む。「君が悪くないよ」という逃げ道を用意しながら進めることが、いきなり外注先を切れない現実的な状況においては有効な進め方になります。

そして最後に、AIと人間の本質的な違いについて、次のような指摘がありました。

澤居さん

澤居さん

「費用ごとに(AIの運用の)方が効率良くなってきちゃったので、目に見えてAIの運用のキャンペーンの方が効率いいってなっちゃって、そうなるとやっぱりこっちにリソースをアロケーションしようかってなっちゃう状況がありまして」

ホスト

ホスト

「こういった数字がはっきりする分野において、AIは必ず人間を圧倒すると思うんですね。最初は例え悪くても、AIの改善効果はものすごく早いし積み上がる。人間の場合は積み上がらないんですよ。やめちゃうかもしれない、体調が悪くなるかもしれないという変数が多すぎる」

最終的に1年、2年、3年とかけていくうちに人間は追いつけなくなるというのは、経営者が持っておくべき前提です。だからこそ、挑戦を先延ばしにせず、かつ社内の人間関係にも配慮しながら知恵を使って進めることが求められます。

💡まとめ

  • AI導入は、本体事業に影響しない「リスクの低い領域」から始めるのが定石
  • マーケティング・広告運用はPDCAが回しやすく、AI活用の最初の一歩として最適
  • 数字の最適化はAIが得意、クリエイティブな訴求発想は人間が担う「住み分け」が重要
  • 広告運用の内製化は経営の基本ロジックであり、コスト削減効果もはっきり見える
  • 導入の最大のハードルは技術ではなく「担当者の心理的抵抗」
  • 社長自らが小さな予算でエージェントを試し、社員を巻き込みながら進めるのが現実的な突破口
  • 数字がはっきりする領域では、AIは長期的に必ず人間を上回る

本記事の内容はこちらのYouTube動画でお話ししています。

広告運用をAIエージェントに任せた実例や、導入時に直面するリアルな「担当者問題」について、より詳しくお話ししています。ぜひご覧ください。